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2022/04/18

「315晩会」を機に考えたい中国での危機管理広報体制

 プラップチャイナの瓦井です。
 去る3月15日、以前から何度かこのブログにも登場しているCCTVの「315晩会」が放映されました。

 「315晩会」とは、「国際消費者権益デー」である3月15日に合わせて、中国の国営テレビであるCCTVがゴールデンタイムに放送する特番です。消費者に重大な不利益を与えたとされる企業・団体が実名で取り上げられ、過去には有名外資系企業もその対象となってきました。さらに3月15日前には例年、多くのメディアで企業のネガティブな報道を掲載する紙面や特設ページが設けられ、盛んに報道合戦が繰り広げられます。当然その内容次第では、当地での営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

2022年315晩会に日系企業は取り上げられず

 今年の「315晩会」で取り上げられたトピックは、こちらの13件でした。
(※番組内ミニコーナーも含む)

① 女性生放送主の裏の秘密
② ヒスイ販売の生放送のトリック
③ 操作されたクチコミ
④ 無料Wi-Fiアプリにはどんな罠が隠されているのか?
⑤ 小学校を囲う、くじ引きの罠
⑥ 「土坑」の酸菜(発酵菜)
⑦ 変わった味の春雨
⑧ 「望まないソフトウェア」の強制ダウンロード
⑨ テレアポ会社などが不正にユーザー情報を取得
⑩ 子どものスマートウォッチがのぞき穴に
⑪ 電動自転車のスピード制限の不正解除
⑫ 不合格ケーブルを合格と偽装
⑬ クレームが激増する美容医療の現状

 今年は昨年とは違い、日本企業を含む外資系企業が全く取り上げられない回となりました。直播(生放送)にまつわる詐欺的行為や食品衛生、ネットを含む個人情報についてなど、全体を通じて生活者視点、日常生活目線でのテーマばかりが扱われています。ライブコマースに関しては、昨年トップライバーが次々に脱税を指摘されるなどかなり風当たりが強まっており、今回もその一環と言えるかもしれません。

 結果的に見れば、今年の「315晩会」は日本企業にとって「安全な回」となりました。しかしながら、放映前には「今年はこの業界が危ない」「あの企業が取り上げられると決まったらしい」など、どこまで信じていいのか分からないような噂がたくさん囁かれます。特に中国でも業界トップランナーに日系企業が多い化粧品などの美容業界、日用消費財メーカー、自動車メーカーは毎年のように事前報道で名前が挙がり、不安な日々を送ることとなります。実際のところは杞憂に終わることがほとんどですが、ここで重要なのは予想が当たった・外れた、番組で取り上げられなかった、ということではなく、この一年に一回の機会を有効に使えたかどうかです。

求められる、有事に備えた「危機管理広報体制」

 先に挙げたような毎年この時期に肝を冷やしている企業は、もともと危機管理広報体制がしっかりと組まれている上、この3月に合わせて有事の際の連絡体制や対応方針などについて再確認するなど、万全を期してこの時期に備えます。一方、この3~5年ほどで中国での売上を伸ばし新たに中国進出をされてきた企業では、中国側の体制がまだ整っていないこともあるため、急に番組に取り上げられた場合には非常に大きなダメージを被ることになります。従って、このタイミングでリスクを整備しておくことが肝要です。

 危機はできるならば起きてほしくないことであるため、どうしても事前対策も後回しになりがちですが、こういったタイミングを生かして有事に備えることを弊社としてはお勧めしております。
 弊社では日中問わず、危機管理広報体制の構築支援や危機管理広報マニュアル整備のお手伝いなど、各種のメニューを取り揃えております。お気軽にお問い合わせください。

 

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