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2023/05/22

中国最新PR事情「小紅書(RED)」「抖音(TikTok)」の躍進

プラップチャイナの中竹です。今回は、中国で大人気のソーシャルメディア「小紅書(シャオホンシュー・RED)」と「抖音(ドウイン)」を取り上げます。日本では、「小紅書(RED)」は、中国版インスタグラム、「抖音」は中国版「TikTok」と呼ばれますが、実際にはGoogleや食べログなどを掛け合わせたような、かなり幅広い使われ方がされています。

男女問わず2億人超が愛用している巨大なプラットフォーム、中国版インスタグラム「小紅書(RED)」
 「小紅書(RED)」は、2013年8月、海外での買い物体験にフォーカスしたユーザー投稿コミュニティーとしてスタートしました。2014年にECとしての機能を追加、2016年にAIを使用したコンテンツ配信を始めます。2020年には月間アクティブユーザー(MAU)が1億人を超え、翌2021年には2億人超となりました。

 「小紅書(RED)」の急成長を支えたのが、オシャレかつ洗練されているというブランドイメージと、コンテンツの中に商品タグを埋め込むことができ、アプリ内で直接商品を購入できる機能のためと言われます。調査結果を見ても、イケてる商品を検索して購入したい、という動機で「小紅書(RED)」を使う人が圧倒的に多くいることがわかります。ところが最近では、若い女性向けのアプリというイメージからさらに進んで、多くの男性も「小紅書(RED)」を使うようになっているのです。

 「小紅書(RED)」はユーザーを多様化させるために、「デジタル」、「トレンド」、「スポーツ」、「自動車」など男性ユーザーが好むコンテンツが優先的に表示されるなどの施策を実行しました。さらに、元々「小紅書(RED)」が持っていたリアルな体験談をシェアするというプラットフォームの特性も、こういったジャンルでリアルな体験談を求める男性を引き寄せることになりました。                                   その結果、2021年の公式データによると、男性ユーザーの割合はすでに30%(2018年11.7%)に達し、4,000万人以上に到達したとのことです。実際、上海在住の30代の男性は、例えば役所での手続き方法を調べたりするのにも、「小紅書(RED)」を使用すると言います。「実際の経験談を知る上で、小紅書が一番使えるから」と話します。

 「小紅書(RED)」は今では、リアルな経験談が豊富にシェアされている、という強みはそのままに、ファッションや旅行に関するトピックにとどまらず、「中国版インスタ」の一言では片づけられないくらい、男女問わず広範な使われ方をされていることがわかります。そのような裾野の広いユーザープロフィールが、元来の高いブランドイメージと相まって、ますますプラットフォームとしての魅力を高める結果となっています。

動画シェアに加えて、ビジネスユーザーを多く誘引する中国版TikTok「抖音」 
 また、「抖音」も、膨大なユーザー数を背景に、動画をシェアする以外にも多くのビジネスユーザーを誘引しています。「抖音」は2016年9月に、バイトダンスによってリリースされました。2017年には国外版である「TikTok」がリリースされ、現在ではそれぞれ「抖音」が中国内で、MAU7億人、TikTokが全世界150ヵ国以上でMAU10億人を誇る動画アプリとなっています。

 中国内で使われる「抖音」は、TikTokには当初なかったEC機能やライブコマース機能も以前から備えており、元々より広範な使われ方をされていました。さらに今では、多くの飲食店が公式アカウントを所有し、割引クーポンも掲載しています。ある別の上海在住の男性(32)は、「何か食べたいものや飲みたいものがあると、「抖音」を検索してクーポンを探す」と話します。現在、上海でも根強い人気の「奶茶」(ミルクティー)や、カフェ、はたまたマクドナルド、ケンタッキーまで公式アカウントを作って、時には直播と呼ばれるライブ販売と合わせてクーポン券を配信し、購買に結び付けています。

 日本で、若者のものというイメージの強いTikTokですが、中国では、老若男女関わらず、気軽に自分の生活を動画に記録し「抖音」でシェアしています。このように幅広い層の人々に浸透し、膨大なトラフィックを持っていることを背景に、「抖音」は飲食店だけでなくマッサージ店、クリーニング屋にカラオケ店まで多くのビジネスアカウントが存在し、より多くのユーザーを引き付けようとしのぎを削っているのです。

プラップチャイナは、「小紅書」や「抖音」でのKOLを使ったマーケティング施策を支援するなど、中国におけるソーシャルメディアのあり方に精通し、これらを使った中国内におけるPR施策の実績が多くあります。中国でSNSを使ったPR施策をお考えの方は、ぜひご連絡ください。

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