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2023/11/22

中国輸入博2023 中国の大型イベントPRには柔軟な対応が不可欠

プラップチャイナの中竹です。上海では、11月5日から10日まで第6回中国国際輸入博覧会が開催され、プラップチャイナでも多くのクライアント様のPR活動をサポートさせて頂きました。今回は出展ブースの運営も複数担当させて頂き、社員総出で対応を致しました。今回は、この輸入博についてレポートいたします。

輸入博は正式には「中国国際輸入博覧会」の名称で、中国政府が輸入拡大を目的に行う大規模な展示会です。中国の市場を世界に開放することを目的に、2018年から毎年11月に上海で開かれています。中国商務省によると、今年の輸入博には128カ国・地域から3400社超の外資系企業が出展。その規模は世界最大級で、米ラスベガスで毎年1月に開かれる家電IT見本市「CES」も上回り、上海モーターショーの3倍超にもなりました。景気の低迷が叫ばれる中国ですが、人口10億人を超える巨大な市場には今も変わらず多くのチャンスがあるとして、日本からは、外国・外資企業の中で最多の350社が出展しました。

各企業とも、出典を行うだけではなく、マスメディアやインフルエンサーを通して、中国市場における新たな取り組みやイノベーションをいかに多くの中国の人々に届けられるか、PR戦略にも力を入れています。

習近平国家主席の肝煎りで始まった輸入博。2018年に始まり、今年で6回目となった。

 コロコロ変わる入場ルール、リハーサルにスタッフが入場できない⁉

今回、ある日系企業のオープニングセレモニーは、開幕2日目の6日に行われました。元々は、開幕当日の5日午後にリハーサルが予定されていましたが、この日は中国内外の首脳やVIPたちが開幕式に入場するということもあり、急遽、当日朝から最寄り駅の封鎖、近隣道路の封鎖などを含む、多くの規制が敷かれました。

前日までに通知されていた情報を元に、スタッフは待ち合わせ場所や時間を決め会場入りする予定だったのですが、蓋を開けてみると、駅からすぐの交差点で封鎖が始まり、身動きできない状況に。電源がある場所を見つけて仕事ができる環境を確保し、規制が解かれるのを待つことになりました。また、開幕当日に入場するために必要とされた「シール」や、開場内を行き来する「ルール」についても、当日になってもコロコロ変わるような事態に。近くで入場を待っていたスタッフが結局中に入れないこともあるなど、予想外のことが頻発しました。

中国で勢いを更に増しているライブコマースの実演も行われていた

大型イベント時の現場対応の注意点

輸入博の出展ブースには、日中両国のメディアを招聘するほか、中国の政府関係者、日本の領事館関係者、その他の関係企業の来賓の方々も訪れます。分刻みのスケジュールの中で、なるべく予定通りに進めるため、招聘メディアの連絡先は、携帯電話の番号だけでなく、WeChatの連絡先も把握した上で、30分前にリマインドのメッセージを地図付きで送るなど、入念な対応が必要となります。また、想定よりも早めにインタビューやメディア対応が終わったときなどは、次のメディアの方に連絡して、前倒しで来ることが可能かどうか交渉するなど、柔軟に先を読んだ対応が重要となります。

また、中国においては、取材記者にギブアウェイを渡すのが一般的なため、その手配も必要です。来場したメディアの社名や記者名をスムーズに確認できるように、予め名簿を作成することはもちろん、普段から各メディアと付き合いのあるスタッフが受付を担当することも、円滑な現場対応には重要なポイントです。

中でもオープニングセレモニーや各ブースでの発表会は、来賓が多く出席し、メディアも一斉に集うため、最後まで確認作業が続きます。特に登壇者スクリプトや配布資料は日中両言語での確認や修正が必要なため、資料の点検などはギリギリまで入念に確認作業を行う必要があります。

セレモニーで取材に応じる日系企業の幹部ら

中国メディアによるインタビュー取材の対応ポイント

中国メディアによるトップインタビューが行われる際は、広報担当者は近くに位置し、録音・記録を取るようにします。これは、あとで報じられた内容に間違いがないかチェックするためだけではなく、各メディアからの追加質問や要望を、クライアントに確認した上で、メディアに回答するためにも重要です。

しかしながら中国メディアならではの、インタビュー取材時の慣習として、インタビューの書き起こしを広報担当者やPR会社からメディアに提供する慣習があります。これは、取材が多く組まれるメディアに配慮し、少しでも良い記事を書いてもらうための工夫であり、大事なポイントとなります。

 以上、大型展示会におけるPRスタッフの仕事は、出展されるクライアント企業だけでなく、展示会の運営者、取材に来るメディア、それぞれの要望や質問に臨機応変に対応する必要があります。更に、中国における日系企業のイベントにおいては、日本語・中国語での対応のほか、日中双方の企業文化・メディアの特性を知っておくことが求められます。

プラップチャイナでは、中国における日系企業のイベントサポートおよびPR対応に豊富な実績と知見がございます。中国でのイベント・展示会への出展およびその広報活動を検討されている方は、お気軽にお問合せください。お問い合わせは、こちらから。

 

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