中国/アジア・パシフィック事業部の秋吉です。新型コロナウイルスの影響で、世界各地で国を跨いだ物理的な移動や、オフラインで人を一カ所に集めたイベント活動が激減しています。今も多くの方が、ターゲットやステークホルダーとの新たなコミュニケーション手段を模索しているのではないでしょうか。
今回のテーマは、コロナ禍における日本企業のグローバルサイト制作・多言語SNS運用についてです。この状況下で弊社に寄せられるご相談の幅も広がっており、その中には企業の海外向けサイトの活用や、ソーシャルメディアの海外向け配信などを介してのコミュニケーション開発といったものも入ってくるようになりました。
海外広報におけるグローバルサイト及び多言語SNS発信の重要性の高まり
令和3年消費者白書によると、日本の全年代における消費者の時間の使い方の変化において、「インターネットの利用」は1年前に比べて約40%増加しており、「家族との時間」「家事」など増加した項目と合わせても最も増加率が高くなりました。またその用途として最も利用率の高かった「情報収集」については、全ての年齢層で利用率80%を超えています。
このような環境下における海外向け広報では、自社のグローバルサイトの充実や運用体制の強化・テーマ設定のもと自社ビジネスについて伝えるオウンドメディアの運営・海外向けソーシャルメディアの活用などへ予算配分がシフトしていき、PR会社と協力して新たな情報発信の仕組みづくりを行う動きが今後も加速していくものと思われます。
KPI設定の困難さとその解決策
コロナ禍以降では、海外広報や海外向けホームページ、SNS運用などを本社で管理したいというご相談が多くなっています。先ごろも海外向けサイトを含む自社がコントロール可能なメディアをその用途別にどう活用するべきか、独自にモデル化したKPIの運用戦略をどう考えるべきか、といったご相談をいただき、実際に個別サイトに特化した海外サイトの運用モデルづくりとサポートを行いました。
このような目的のご相談の場合、まずは定性的に最終的な理想形を洗い出す議論を行います。達成したい状態は期限付きで既に企業内で設定されている場合もあり、その場合はその最終目的をブレイクダウンし、最終目的を実現するための定量的な目標をいくつか設定します。
それが決まると、次にベンチマーク企業と自社サイトの現状分析を行います。参考とするのは流入数、PV数、滞在時間、直帰率等の計測可能な資料。コンテンツ間の遷移数や遷移率、滞在時間をどう増加させるか、どのようなテーマのコンテンツを創りその滞在時間をどれだけ増やすことを目標とするのか、ステークホルダーは誰でどのように届けたいのか、遷移を促すためにサイト構造をどう設計するべきか、コンテンツの読了率を高めるためにどんなコンテンツ構造の記事を作るべきなのか、などハードとソフトの両面から優先対応事項を決めていきます。
基本的にはこの活動が全体の中で最も大切なステップとなり、ウェブサイトを最終目的に対する明確な解決手段とするための戦略モデルを形作ります。この戦略モデルこそが全ての起点となり、その後の全ての活動を規定するのです。
これらをふまえると、いくら海外版サイトといえども、単純に日本語コンテンツを英訳するだけでは不十分だということが分かります。日本人が持つ情報の質と量と海外の人が持つそれとではそもそもギャップがあり、そもそも情報を伝えたいステークホルダー自体が違うためです。
このように戦略的に自社サイトの見直しを行い、定期的に計測可能な指標をモニタリングしつつ目標数値の達成まで進めていく過程では、自社サイトは「作って終わり」ではなく、コミュニケーションのハブとして、適切なパートナーと一緒に運用していくものとして認識する必要があるでしょう。
海外向けの発信を強化したい、経営計画に貢献する活用を行いたい、定量指標を基に現状の運用の良し悪しを判断したい、海外のステークホルダーとのコミュニケーションを実感して経営判断につなげたい、等々のお悩みをお持ちの方は、ぜひプラップジャパンまでお気軽にご相談ください。
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