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2019/09/27

中国の地方都市の現状とメディアの違い

 はじめまして、プラップチャイナの辻です。私は新卒でプラップジャパンに入社し、中国/アジア・パシフィック事業部でインバウンドPRやアウトバウンドPRを経験した後、今年4月からプラップチャイナの上海オフィスに駐在となりました。

 今回、とあるクライアント様のイベントおよび中国メディアのインタビューアレンジで、8月末に重慶(1.5級都市)と煙台(2級都市)への出張機会があったため、その際に見えてきた中国の地方都市の現状や広報/メディアの違いなどについてお伝えしたいと思います。

重慶(1.5級都市)
 重慶は、南京や武漢とともに“三大火炉”の一つに数えられており、夏は高温多湿で有名です。私が出張した際も、日中の気温は39度以上、盆地で湿度も高く、空港に降りた瞬間の不快感を今でも覚えています。もちろん街中で見かける人は半袖Tシャツにハーフパンツスタイルの人が多く、スーツやカッチリした服装の人は見かけませんでした。

 気になったポイントは、空港や駅ナカの広告で美容関連の広告をよく見かけたことです。上海だと世界的ハイブランドや自動車メーカー、展示会の告知などの広告をよく見かけるのですが、重慶では地元の美容関連企業が広告を占有していました。その地形と辛い物をよく食べるという点から、一般的に“きれいな女性が多い“と言われる重慶。こういった背景から美容に関心が高い女性が多いのかもしれません。

 また、重慶では朝の通勤ラッシュ時に電車を利用したのですが、広報/PR的に驚きがありました。それは電車内でローカル新聞を読む人が大勢いたことです。中国では、日本と同様に紙メディアが衰退傾向にあり、休刊する新聞や雑誌が多く、大多数の情報収集源はオンラインの傾向が高まっています。また、普段私が生活する上海では、電車で新聞を読む人は見かけず、全員がスマホに夢中です。そのため、この光景は私にとってとても衝撃が大きいものでした。よりエリアを絞った情報発信を検討する際は、現地ごと広報環境や習慣、インサイトに沿ったPR活動が必要だと痛感しました。

煙台(2級都市)
 煙台は山東省最大の港湾都市です。海の向こう側には韓国があり、貿易による人や物の往来も盛んのようで、ホテルやお店の看板、メニューにはハングル表記が多く見られます。気候は、多少の湿度はあるものの、日中の気温は25度前後と比較的涼しく、過ごしやすい環境でした。この気候はワイン造りに適しているようで、煙台は中国ワインの一大生産拠点としても知られています。

 煙台は2級都市ということもあるのか、空港や街中の広告は地元の銀行や地方行政組織などローカル企業で占められており、グローバルブランドの広告は見られませんでした。この点からも、一概に中国と言えど各地で差があり、1級都市、2級都市を同じ基準で捉えてはいけないことがわかります。

 煙台で驚いたポイントとしては、煙台メディアが非常に真面目という点です。煙台では、地元の中国メディアを招き、クライアント様へのインタビューをアレンジしたのですが、インタビュー中に必死にメモを取る姿が印象に残っています。後日お礼も兼ねて理由を聞くと「日本企業が煙台でインタビューを実施することは珍しく、なかなかない機会だから」とのことでした。

 今回は、実際に出張で訪れた重慶と煙台にスポットを当て、地方都市の現状やメディアの違いをお伝えしましたが、元より中国はその広大な土地や気候、都市の発展具合、文化・習慣、生活水準などなど、様々な点が各地で異なることが多く、マーケティングが難しいと言われます。

 中国で広報やマーケティングを検討する際には、1級都市の視点だけにとどまらず、各地の習慣やインサイトをしっかり掴むことが重要だと実感しました。今後も中国各地の現状や、最新の広報/メディア事情などご紹介していければと思います。

 

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