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2019/07/26

ジャカルタのMRT開業と交通広告

プラップジャパン海外事業開発部の長船です。今年4月ジャカルタに待望の地下鉄(ジャカルタ都市高速鉄道、MRT)が開業しました。当初は、昨年8月のアジア大会の開業を目指していましたが、約半年遅れで完成、今年5月の大統領選挙前に間に合わせる形で、ついに開通・開業しました。

 

MRTを利用してみて、感想

今回開通した経路は、第1フェーズとして、ジャカルタの目抜き通りのスディルマン通りに沿って、北は日本大使館前から、南はシマトゥパンエリアまでの南北を貫く路線の13駅です。利用のしやすさという視点では、外国人にも比較的分かりやすく配慮されていると感じました。各銀行が発行するプリチャージ型のカードを駅の構内、改札周辺で発売しているため、そのカードを購入して必要な金額をその場でチャージすることが可能です。また、カードはMRT以外にも、高速道路利用時、バス利用時などにも使用する事が可能で、1枚持っていれば居住者にも出張者にとっても、大変利便性の高いカードとなっています。

MRT構内や電車内外の広告について

MRTが新しい人の流れと、人が集まる場所を作っていく中で、すでに多くの構内広告や電車内広告、電車ラッピング広告が見られました。まず私がよく利用する駅(タムリンエリア、グランドインドネシアモールや国営・民間銀行、郊外からの長距離電車との接続駅)では、インドネシアのユニコーン企業Gojekのジャック広告が目立ちました。また、日本食のお店があり、しばしば食事目的で利用するBlokM駅には、インドネシア最大手通信会社のTelkomselの構内広告、同じくITユニコーン企業Tokopediaの構内広告が掲出されていました。

またいくつかの駅では、Dukuh Atas BNI、Istora Mandiriなど現地の国営銀行やSetiabudi Astraなど財閥の企業名が駅の名前にも入っています。これらは街頭の企業がスポンサーとして購入し、駅構内のサイネージで自社の広告を出せるようにもなっているようです。

広告や駅名から見られる特徴としては、新興の現地大手IT企業と昔からの財閥、国営企業また通信会社など、激しく国内シェア争いをしている企業からの積極活用が感じられました。

これからのジャカルタ都市生活

たった南北13駅の1路線ではありますが、この開通が生んだ変化は、すでに都市部でいくつか見受けられました。今後、路線の拡張や、他の交通機関との連携、歩道や地下通路の整備などが進めば、悪名高きジャカルタの渋滞緩和はもちろん、人の流れの変化、また各個人の選択肢の多様化、ライフスタイルの変化が進むものと考えられます。
またそれに伴い、メディアの変化や、企業のコミュニケーションの変化など、少しずつかもしれませんが、ジャカルタの都市部から始まった変化が、インドネシア全体の大きな発展の種となるはずと感じた今回のMRT開通でした。

 

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