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2020/06/01

アフターコロナ、中国インバウンドPRはいつ回復?

プラップチャイナの井口です。中国では大部分の地域で新型コロナの新規感染者がゼロになり、感染防止対策の様々な規制が徐々に緩和され、日常の生活が戻りつつありますが、インバウンドがいつ回復するかまだ予測が難しい状況です。そのような状況下でも、クライアント様からはインバウンド向けのPRやマーケティングについてご相談が多々ありますので、現在、動向を探るために注視していることをまとめたいと思います。

様々な規制が緩和し、旅行業界は回復の兆し

新型コロナ流行の影響を受け、例年3月初旬に開催される両会(全国人民代表大会及び全国政治協商会議)が延期となりましたが、ようやく5月20日から開催されました。特に全人代(国会に相当)は、中国で最も重要な政治日程の一つであるため、両会の開催は、新型コロナが収束に向かい、経済活動や社会生活が徐々に正常化していることを示す指標と言えます。両会の開催地である北京市や周辺地域の移動規制が解除され、今後両会後には中国国内の地域間の移動に関する規制がさらに緩和される可能性が見られました。
中国では、5月1日~5日までメーデー(労働節)連休があり、中国国内の観光地への旅行が本格的に再開されました。中国文化・観光部によると、メーデー連休期間、中国国内の観光客数は合計1億1500万人、観光売上は475億6千万元(7,611億円)に達しました。長期間の外出規制で抑えられていた旅行需要が増加し、多くの人々が旅行に出掛け、中国の旅行業界では着実な回復がみられました。これは、今後世界的に新型コロナが収束し、渡航制限が解除された時には、海外旅行への消費意欲が反動で同じように爆発する大きな可能性を示しています。

「クラウド旅行」が本格始動

中国の旅行業界は順調に回復してはいますが、大きな打撃を受けたことは確かです。コロナ禍で、旅行業界はどのような打開策を講じているのでしょうか?現在、中国の旅行業界は、ライブ配信観光、オンライン観光、VR商品などのサービスを打ち出し、オンラインの「クラウド旅行」が本格的に始動し、自由に旅行できない人々にバーチャル旅行体験を提供しています。
ショート動画共有アプリ『TikTok』は、メーデー連休中にTiktok上のクラウド旅行関連の閲覧数が4.7億回を超えたと発表しました。大手旅行予約サイト『C-trip』は、「観光地クラウド旅行」イベントをスタートし、48カ国・地域832都市の観光地3000ヶ所以上で音声観光ガイド商品約7000点を無償提供しています。

2020年は旅行ライブコマース元年

クラウド旅行の中でも、特にライブ配信に旅行業界各社が続々参入しています。人気旅行メディア『馬蜂窝』は、旅行KOLや観光地、旅行会社、ホテルと提携し、メーデー連休期間に1500回のライブ配信を実施し、世界4000ヶ所以上の観光地を紹介しました。公式データによると、視聴人数は前年同期比で301.6%激増し、平均視聴時間も91.1%/人増加しました。人気トップ2のライブ配信は、ドイツ観光局とニュージランド政府観光局が実施したライブ配信で、海外の観光局もクラウド旅行に注力し、海外旅行解禁に向けて積極的に準備をしている様子が見受けられました。
中国では、数年前からライブ配信が人気になり、EC業界ではライブコマースの占める割合が高くなってきています。旅行業界でもライブ配信の中に「パッケージツアー」や「ホテルの割引券」などの購入先へのリンクを貼り、直接販売できるライブコマースが注目され、まさに今年は旅行ライブコマース元年と言えるでしょう。ライブ配信は、感染対策中の人々の需要に応え、消費に繋げるだけでなく、フォロワーを育成することで今後の旅行需要の増加に貢献することが考えられます。人との接触がリスクになりソーシャル・ディスタンシングが常識となった今、リアルな世界の人恋しさからオンラインでのコミュニケーションニーズが高まっていることもライブ配信の人気の理由かもしれません。

プラップチャイナでは、中国消費者向けのインバウンド業務に関するPRやマーケティングの実績が多数ございます。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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