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2020/04/23

タイのゲーム市場とそのマーケティング事情

 海外事業開発部の長船です。今回は、私がバンコクに駐在している間に関わった、成長著しい東南アジアのゲーム市場環境と、その中でのタイ市場の位置付け、さらにそのマーケティング事情についてレポートしたいと思います。

東南アジアのゲームマーケットの中でのタイマーケットの位置

 まず、全体の市場環境からみておきましょう。まず東南アジア全体のゲーム市場規模が2017年ベースで約2700億円。東南アジア域内のシェアで見ると、タイ(22%)、インドネシア(21%)、マレーシア(18%)ベトナム(14%)、シンガポール(12%)、フィリピン(11%)、その他(2%)という分布状況になっています。

 また各国の成長率を見ると、2013年から2017年の5年間で、市場全体規模は約3倍に成長、各国シェアをみるとタイ、マレーシア、ベトナムはほぼ上下変動なし、インドネシア5ポイント増、フィリピン2ポイント増、シンガポール7ポイント減という状況です。タイは、東南アジア域内でのシェアが約22%、金額規模で約600億円(ゲームユーザーベースでは約1,830万人)と、東南アジア各国比較ではトップ、世界では20番目の規模のマーケットサイズを持つ国となっています。

 では、どのようなデバイスで遊んでいるのでしょうか。約60%はモバイル経由、そしてPC、モバイル、コンソールゲームを横断して遊んでいる人の割合も約45%いますが、圧倒的なモバイルの普及状況、5G通信環境の整備、モバイル端末を通じたサービスが今年から提供開始されることからも、今後一層モバイル経由のユーザーが増加することが予想されます。

参考:NewZoo / Applift

タイ市場に参入するゲーム企業の競争激化

 タイ現地での日系ゲーム企業の存在感は、正直なところあまり高くありません。挙げられる理由としては、タイで人気を集めるゲームは、モバイルでのカジュアルゲームやオンラインで協力しながら敵を倒すようなタイプに人気が集まっています。これらのカテゴリーは、中国、韓国、台湾のゲーム会社が得意としていて、すでに多くのタイトルで進出しています。また、マーケティング手法や予算なども豊富で、積極的なマーケティング活動を行っています。現状ではこれら3か国から進出してきているゲームをプレイする割合が9割程度を占めるまでになっているのが実情です。

 では、日系のゲームタイトルはというと、世界的に有名なキャラクターに関連したゲームタイトルや、現地でのeSPORTSの成長をきっかけに参入するスポーツゲームタイトルなど、まだその数は少ないもののコンソールゲーム、モバイルゲームの両方からの展開も見受けられます。我々としても、日本からのゲームタイトルの成長をサポートしていきたいと考えています。

タイでのゲームPR・マーケティング手法

 いくつかの手法やプラットフォーマーがある中で、今回はOnlineStationというタイのトップゲームメディアをご紹介します。ちなみにOnlineStationはタイの大手通信会社Trueのグループ会社で、True自体は日本でいうNTTやKDDI、ソフトバンクのような、通信インフラや、オンラインテレビなどのメディアを提供する大手企業で、OnlineStationはそのグループ内でゲーム関連の情報やKOL、メディアプラットフォームを持つ、ゲーム特化型の企業といえます。

 毎年秋に開催されているタイ最大のゲームイベント、タイランドゲームショーもまたこのOnlineStationが主催を行っており、オンラインもオフラインでもゲームのことならなんでもカバーが可能な重要なメディアとなっています。

 実際に我々が取り組んでいる施策においては、ゲームの編集記事タイアップ、タイアップ記事のFacebookアカウントでの転載、Live Streamingでの展開など多岐にわたっています。実際にKOLに遊んでもらった評価レビューを、ビデオ映像に編集した動画は、ゲームファンの人気を集めています。

 現在、世界的なコロナウイルス問題による自粛や自宅待機が実施されている状況ですが、タイも同じく、自粛の真っ最中です。しかしながら、オンラインで開催するイベントやゲーム競技大会などは活発に行われています。是非、ご興味ある方はお問い合わせください。

 

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