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2019/09/06

中華圏マーケティングに不可欠な中国語ネーミング

プラップジャパン海外事業開発部の舟橋です。中華圏では、日本人が英語をカタカナ表現にするように、英語の人名や固有名詞を中国語で表記することが一般的です。もちろん文脈によっては、英語のまま表記することも多いのですが、中国人の英語の識字率が高くないため(特にシニアや地方出身者など)マーケティング上英語表記を避けることが多いのです。

中国語ネーミングのポイント
 では「路易威登」「愛馬仕」「宝格麗」この漢字を見て、これがどこの企業・ブランドか分かりますでしょうか。
 正解はいずれもファッションブランドの中国語名です。それぞれ「路易威登=ルイヴィトン」「愛馬仕=エルメス」「宝格麗=ブルガリ」です。さらに、それぞれを中国語で発音すると「路易威登=ルーイーウェイダン」「愛馬仕=アイマーシー」「宝格麗=バオガーリー」となります。お気づきでしょうか、それぞれ、発音を元来の英語の発音に似せた上、さらに使用する漢字の意味を、ブランドのルーツや価値になぞらえて、中国語名を名付けているのです。

なぜ中国語にする必要があるのか
 冒頭の写真を見ていただくと、ルイヴィトンでは広告に英語表記のロゴと並べて中国語表記がされています。これは前述した通り、購買層が必ずしも英語でブランドを認識できない可能性があることが背景の一つにあります。また、違う角度から考えると、中国の検索エンジンは漢字に最適化されていますので、英語で検索しても正しい検索結果が出にくいという問題もあります。そのブランドのことを人に伝える時も、英語で憶えるよりも、中国語の方が簡単とういうこともあるでしょう。

日本企業の対応は
 日本企業の場合、もともとの社名が漢字表記の場合が多く、そのまま使用するパターンが多いです。また、昨今のグローバル化の中では、別の問題も出てきています。松下電器や花王がパナソニック、KAOというように、英語(カタカナ)表記の会社名やブランド名に社名/CI変更するケースが増えてきました。しかしながら、中国に関しては例外扱いをして、漢字の旧社名やブランド名をそのまま使い続けている会社も多いです。
また、もう一つ気をつけなくてはいけないのは、大日本、東洋、といった、戦争を想起させるような名前が入っている場合、逆にそのままの名前を使い続けることがリスクで、わざと発音に合わせた当て字にして、社名を変える対応をしている会社もあります。

アジア全体を見据えると
 さらに最近では、中国進出をしていない企業でも、日本で中国人観光客に人気のブランドが、中国語対応の一環で中国語名をつけてPRを行なっているような例も出てきています。さらに言えば、タイのような、中国人に人気の観光地でも日本企業が中国語での表記対応をする例は生まれています。中国語圏という意味では、シンガポールやマレーシアでも同様の対応をすることが、販売促進上、プロモーション上有利になると考える日本企業が出てきています。

 このように、中国というマーケットを中国大陸だけで捉えずに、アジアという大きな枠で捉えると、PRやプロモーション活動においても、中国語ネーミングや中国語対応を行うことは、重要かもしれません。プラップグループでは、グループ全体の知見を生かし、お客様のコミュニケーション上の課題に取り組んでまいります。

 

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