プラップPRジャーナル
PRAP PR JOURNAL

大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災を教訓に制定された「防災の日」。
この「防災の日」の前後はメディアや生活者の防災への関心が高まる時期であり、企業にとっても、自社の防災の取り組みや関連技術を発信する機会の一つです。
2026年の「防災の日」前後に関する報道を振り返ると、在宅避難や備蓄品の管理、フェーズフリー、継続的な防災研修など、「備えているか」だけでなく「いざというときに機能する備えになっているか」に目を向けた話題が見られました。
一方で、防災は人の命や被災経験に関わるセンシティブなテーマでもあります。発信の仕方によっては、災害への不安を自社の宣伝に利用しているように受け取られる可能性があります。だからこそ、社会や生活者に役立つ情報として、何をどのように伝えるかが重要です。
本記事では、2026年の「防災の日」前後に関する報道を振り返り、その傾向を整理したうえで、企業が防災情報を発信する際のポイントを紹介します。
防災に関する報道は避難訓練、家庭での備え、防災を支える技術・製品の大きく3つに整理できます。さらに、2026年の「防災の日」関連の報道では、「備えを用意する」からさらに一歩進み「実際に使える・動ける状態をつくる」という特徴が見られました。
① 避難訓練と防災研修
自治体や学校、企業、地域住民などが参加する避難訓練は、防災の日の代表的な報道テーマです。企業においては、研修や安否確認訓練を単発の行事で終わらせず、継続していくことが求められています。
避難経路や連絡手段を知っているだけでなく、実際に動けるかを確かめることも重要です。訓練や研修を通じて何を確認し、どのような課題が見え、次にどう改善するのかまで伝えると、取り組みの意味が具体的になります。
② 在宅避難での備蓄の管理・更新
家庭での備えでは、非常食や飲料水を揃えることに加え、自宅で安全に過ごせる場合を想定した在宅避難に目が向けられています。家具の固定や、ライフラインが止まった場合の生活など、備えを具体的な場面に結びつけた記事が見られました。
備蓄も「持っているか」だけでは十分とはいえません。必要な量があるか、期限が切れていないか、保管場所や使い方を把握しているか。日頃から点検し、使った分を補充するなど、管理・更新までが求められていることが分かります。
③ フェーズフリーの視点を持つ技術・製品
災害情報を通知するアプリ、安否確認システム、非常用電源、防災用品などに加え、防災を特別な準備だけにせず、日常の中に組み込む「フェーズフリー」の考え方に則った製品についても多く発信されています。
製品の新しさや機能の説明にとどまらず、普段はどう使い、災害時にはどのような課題に役立つのかを示すことで、備えの有効性が伝わります。
企業として防災関連の情報を発信する際は、防災の日への関心を生かし「なぜ自社が防災に取り組むのか」「どんな形で社会に貢献できるのか」といった、自社の取り組みを社会的な課題と結びつけることが重要です。
では、具体的に社会にとって意味のある防災情報を、メディアが取り上げやすい形にするためのポイントをいくつかご紹介します。
① 調査で備えの実態と課題を示す
防災に対する意識や備えを調査することで、生活者の備えにどのような課題があるかを、調査結果で明らかにできます。
さらに、調査によって浮き彫りになった課題と、提供している製品やサービスや自社の考えをつなげてストーリー化すると、「なぜ防災に取り組むのか」に説得力を持たせることができます。
② 専門家の知見を加える
防災という専門性のある話題においては、専門家の視点も重要です。専門家の知見を加えることで、調査結果の背景や実践できる備えを具体的に示すことができます。
③ 生活者が行動に移せる情報を盛り込む
在宅避難に向けた点検項目や避難時の注意点、防災製品の実際の使い方など、読者が実践できる情報を盛り込むことも大切です。
注意点① 不安を過度にあおらない
災害の危険性や被害を強調しすぎると、生活者の不安を利用して製品購入やサービス利用を促しているように見える可能性があります。
災害リスクを伝える際は、公的機関や専門家の情報を根拠とし、具体的な備えや行動につながる内容とセットで発信することが重要です。
注意点② 自社のアピールを主役にしすぎない
防災上の課題よりも製品名やサービスの情報が目立つと、広告としての印象が強くなります。
「社会や生活者にどのような課題があるのか」「何を知り、どのように備える必要があるのか」を先に示し、自社の製品やサービスは、その課題に対する解決策として位置づけることが有効です。
注意点③ 実際の災害発生時は発信内容を見直す
大規模な災害が発生した場合は、情報発信のタイミングを慎重に判断する必要があります。
被災状況や社会の受け止め方を確認し、必要に応じて発信の延期・中止や表現の変更を検討します。状況によっては、製品や企業活動の紹介よりも、被災者支援や実用的な情報提供を優先する姿勢が求められます。
防災の日は、企業の活動や技術を社会に知ってもらうための重要な発信機会です。ただし、自社のアピールだけを起点にすると、宣伝色が強くなり、災害への不安を利用していると受け取られる可能性があります。
まず、社会や生活者が抱えている防災上の課題を捉え、その解決に自社がどのように貢献できるかを考えることが重要です。
「なぜ自社が防災について発信するのか」「その情報は誰のどのような備えや行動に役立つのか」を明確にすることが、企業の強みを生かしながら、社会にも役立つ情報の発信につながります。
2026年の「防災の日」前後に関する報道を振り返ると、企業が避難訓練や社内の備え、地域連携、防災関連の技術・製品など、さまざまな防災情報が発信されました。
こうした防災への関心が高まるタイミングを捉えながら、社会が必要とする情報と自社の取り組みを結びつけることで、企業ならではの発信が可能になります。
一方で、防災は人の命や生活に関わるテーマであるため、不安を過度にあおらず、自社の視点に偏らない発信をする必要があります。
防災の日を一時的なPRの機会にとどめず、生活者の備えや行動を後押しする情報発信につなげることが、企業への理解と信頼にもつながるでしょう。
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