プラップPRジャーナル
PRAP PR JOURNAL

世の中の空気感や生活者の関心を知るうえで、テレビが持つ影響力は今も大きいと感じています。
一方で近年、「若者のテレビ離れ」という言葉を耳にする機会も増えました。
しかし、若年層と話していると、ある共通点を感じることがありました。
それは、「テレビを見ていない」わけではないということ。
実際に放送サービス高度化推進協会(A-PAB) が実施したテレビ視聴動向リサーチでも、若年層では動画共有サービスの利用が進む一方で、テレビ放送の「必要度」は引き続き高い割合を維持していることが示されています。
私たちの世代は、幼い頃からスマホやSNSが身近にあり、情報収集もXやInstagram、TikTok、YouTubeなどを起点に行うことが当たり前になっていますが、テレビ番組を見ていないわけではないのです。
幼い頃は家族と一緒にテレビを見ることも日常の一部でした。 食事中にバラエティ番組を見たり、毎週決まった番組を楽しみにしたりと、テレビが生活の中心にあった感覚も持っています。
私たちは、テレビの影響力を知っている。でも同時に、SNSの情報に日常的に接触してきた「境目の世代」でもあります。
今回、同世代の若年層にアンケートを取りながら、若者の情報接触について改めて整理してみました。
そこから見えてきたのは、単純な「テレビ離れ」では説明できない実態でした。
今回、社内の若年層11名を対象にアンケートを行ったところ、多くの人が「自宅にテレビがある」と回答していました。

また視聴頻度についても、
・「ほぼ毎日見る」
・「週に数回見る」
という回答が中心で、テレビそのものが生活からなくなっているわけではないことが分かりました。
一方で、情報収集の中心として最も多く挙げられたのはSNSでした。

XやTikTok、YouTube、ニュースアプリなどを通じて、日常的に情報を取得している人が多く、スマホを起点に情報へ接触することが当たり前になっています。
つまり現在は、
・テレビは存在している
・しかし情報接触の入口はSNSになっている
という状態に近いと考えられます。
また、アンケートの中で特に印象的だったのは、「番組を最初から最後まで見る」というより、「話題になった部分に接触する」という回答が多かったことです。
実際に、
「切り抜きで見た」
「タイムラインで流れてきた」
「SNSで話題になっていた」
といった声が多く見られました。

そして、今回のアンケートで興味深かったのは、テレビへの信頼感そのものは非常に高かったということです。
特に多かったのは、
・「世の中の流れが分かる」
・「話題の優先順位が分かる」
・「興味がなくても情報が入ってくる」
・「信頼性が高い」
といった回答でした。
また、
「災害時はまずテレビを見る」
「SNSは便利だが、情報の真偽を見極める必要がある」
という声も多く見られ、
SNSから得られる情報は、
・速報性
・手軽さ
・パーソナライズ
に優れる一方で、情報が偏りやすいという感覚を持っている人も少なくありません。
その反対にテレビは、自分の興味関心の外側にある情報や、社会全体の空気感を知るためのメディアとして認識されていました。
つまり若者にとってテレビは、「古いメディア」というよりも、「社会全体を見るためのメディア」として、SNSとは異なる役割を持っていると考えられます。
【調査概要】
調査対象:プラップジャパン社員の20代前半男女
回答者数:計11名
調査方法:Webアンケート

今回のアンケートを通じて考えられることは、若者にとってテレビは「日常的に長時間視聴するメディア」ではなくなりつつある一方で、「社会全体を見るためのメディア」としての役割は今も残っているということです。
SNS上の情報は非常に流動的で、話題性や拡散性に優れる反面、「本当に正しいのか」「どこまで信頼できるのか」が分かりにくい場面も少なくありません。
また、SNSで流れてくる情報は、自分の興味に合わせて最適化されています。
だから心地よく、深く知ることができる一方で、「これは自分の周りで盛り上がっているだけなのか、それとも社会全体で注目されていることなのか」が、だんだん分からなくなっていきます。自分のタイムラインが、世の中そのものに見えてくる。
そのような若者の中でテレビは、「今、社会で何が重要とされているのか」を確認する場として機能していると考えられます。
今何が重要な話題として扱われているのか。自分が関心を持っているテーマは社会全体でも注目されているのか。
テレビはそうした「社会との距離感」を測るための手がかりになっているのかもしれません。
つまり若者はテレビを、「社会を測るものさし」として見ているのではないでしょうか。
若者は確かにSNSを中心に情報へ触れている一方で、同時にテレビを「社会を測るものさし」として信頼しており、その価値を手放してはいません。
今回の調査を通じてはっきりしたことは、媒体ごとに「届き方」がまったく違うということです。
テレビは「社会全体で注目すべきこと」という大きな視点を与え、SNSは一人ひとりの関心に寄り添って深く届ける。同じ情報でも、どの媒体に乗せるかで、受け取られ方も意味合いも変わってきます。
だからこそ、これからのPRに大切なのは、ただ多くの媒体に露出することではなく、「誰に、何を、どう受け取ってほしいのか」という目的に応じて媒体を選び分けることだと考えます。
社会全体に“世の中ごと”として認識してほしいのか、特定の関心層に深く届けたいのか。その目的に合わせて最適な媒体とメッセージを組み合わせていくことが、生活者の心に届くコミュニケーションにつながるのではないでしょうか。
プラップジャパンでは、こうしたメディア環境の変化を捉えながら、目的に応じた最適なコミュニケーション戦略を追求し、クライアントの課題解決に取り組んでいます。
<参考>
放送サービス高度化推進協会(A-PAB) テレビ視聴動向リサーチhttps://www.apab.or.jp/wp-content/uploads/2026/02/release_20260206.pdf
© Basic Inc.