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知らないと損?PR視点で「VTuber起用」を考えてみた

 

 近年、情報の伝え方は大きく変化しています。テレビや新聞での露出の他に、SNSにおける発信が大きな役割を果たすようになりました。情報が氾濫する時代だからこそ、第三者に「語られること」が今まで以上に重要になっています。

 

そんな中、高い情報発信力を持つインフルエンサーとして、近年とりわけ存在感を放っているのが「VTuber(※)」です。自治体の観光大使に任命されるなど、活躍の場はますます広がっています。 私もファンとして日頃からVTuberのコンテンツを楽しんでいる一人です。 

 

数年前、あるVTuberが配信で、とあるテーマパークの魅力を熱く語ったことをきっかけに、有志による切り抜き動画がSNSで爆発的に拡散されました。その結果、当初は公式な関係がなかった両者の正式なコラボに発展。ニュースにも取り上げられ、大きな話題となりました。私自身も影響を受け、コラボ期間中に2度現地へ足を運びました。

 

VTuberの発信をきっかけに、オンライン上の話題が実際の来場というオフラインの行動にもつながったこの事例。きっかけとなったVTuberはもちろん、テーマパーク側の柔軟な行動力や元々持っていた魅力が話題を呼び、印象向上にもつながりました。


この体験をPR視点から見てみると、VTuberの起用は単なる広告の一手法ではなく、「企業と人々の関係づくり」に関わる重要なコミュニケーション手段になり得るのではないかと考えています。


そこで今回は、PR視点から見たVTuber起用の魅力をお伝えします!


人気だから、という曖昧な理由だけで起用を検討していませんか?

 

※VTuberとは

「VTuber」は「Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)」の略称です。実際の身体ではなくイラストを元にしたアバターを活用し、モーションキャプチャー技術によって動きを同期させて活動する人々を指します。YouTubeを中心にゲーム実況、雑談、ライブまで多岐にわたるコンテンツを発信し、毎年市場規模を拡大し続けています。

 

PR施策にVTuberを起用する3つのメリット

まず、PRとは「関係づくり」です。広告は、商品やサービスを短期的に知ってもらうことが目的になる場合が多い一方で、PRはより長期的な視点で、企業と社会の間により良い関係を築くことを目指します。

 

この「関係づくり」という観点からVTuberという存在を見直してみると、これまでとは異なる可能性が見えてきます。
 

VTuberは基本的にインフルエンサーの一部として捉えられますが、その特殊な身体性や活動方法から、VTuber起用にはいくつかメリットがあり、それらの総合として独自の強みを持っています。

 

 

①イメージに合わせて柔軟にコラボできる

VTuberは外見やキャラクター性、得意分野が固定されていることが多く、企業や施策のイメージにマッチする人物を柔軟に選びやすい特徴があります。

また、VTuberの身体はイラストをもとにしており、衣装や髪形など外見を比較的容易に操作することができます。そのためクリーンなイメージに近づけたい場合はスーツの衣装やイラストを採用するなど、依頼する側のイメージに寄せた表現もしやすくなります。

 

さらに、同じVTuberを長期的に起用することで、企業と生活者をつなぐ「窓口」のような役割を担うことも可能です。外見の印象が大きく変わりにくいため、ブランドイメージを安定して伝えやすい点もメリットです。

 

 

②「IP」としての可能性も高い

VTuberを起用する大きな利点は、「IP(知的財産)」としての展開のしやすさにあります。

 

例えば、VTuber起用によるコラボは配信だけでなく、グッズや限定商品、イベント用ビジュアルなど、多様な形で展開することが可能です。企業や団体にとっては、情報発信だけでなく、商品・サービスとの接点を増やすきっかけにもなります。生活者が日常の中で企業やブランドに触れる機会を増やせるという意味でも、PR施策として有効な選択肢の一つだと考えられます。

 

 

③「身近さ」が生む信頼感

VTuberは普段からライブ配信のコメント欄やSNSを通じて、視聴者と積極的に交流していることが多い存在です。インフルエンサーの中でも「対話する存在」として視聴者との距離が近いという特徴があります。このような身近さは、企業PRに加えて、自治体や地域の広報活動でも活かすことができます。

 

特に自治体のPRでは、堅いイメージを持たれることがしばしばあるため、「親しみやすさ」や「地域への愛着」を育てることが重要になります。その点で、継続的に発信しながら人々との交流を重ねていくVTuberは、地域の魅力を伝える存在として、今後さらに活用の幅が広がっていくのではないでしょうか。例えば、その地域にゆかりのあるVTuberをPRに起用することで、ファン層を中心に関心と愛着を高めることにつながります。

目的別・VTuber活用の方向性

ケースによって相性のよい展開は異なりますが、基本的にはリアルタイム配信を中心に、限定版商品の発売やサービスの加入キャンペーンなどと組み合わせる事例が多くみられます。以下は、目的ごとにおすすめしたい活用方針です。

 

 ・認知拡大:対象(商品やサービス)をVTuber本人が実際に体験・コメントする様子を配信やSNSで発信

 ・啓発・公共性あるテーマの理解促進:堅くなりがちな情報や難しい制度を、VTuber同士の会話形式や解説に落とし込む

 ・新商品発売:発売前の製品を配信で先行体験

 ・来店/来場促進:現地限定の音声、館内アナウンス、スタンプラリーなどを組み合わせる

 ・地域PR:ロケ動画で観光地や名産品を紹介、体験コンテンツの感想を発信する

 ・コーポレート:自社オリジナルVTuberで、HPやYouTubeチャンネルで発信

 ・購買促進:配信上での紹介に加え、コラボパッケージの商品などを用意し、店頭・EC・キャンペーンページへの導線を用意

起用時に注意・確認すべきポイント

メリットも多いVTuber起用ですが、起用の際に注意・確認すべきポイントも存在します。

 

①単に「人気があるから」という理由だけで起用しない

VTuberは言葉や人格を持ち、日々視聴者と近い距離で関係性を築いている存在です。だからこそ、VTuber本人の姿勢や関係性を尊重しながら、慎重に企画する姿勢が求められます。

まず企業が伝えたい内容やメッセージと、そのVTuberの活動内容やキャラクター性が違和感なく接続できるかを確認する必要があります。(自社オリジナルのVTuberは除く)

また、そのVTuberならではの「らしさ」を活かすことも重要です。発信内容がどれだけ誠実でも、起用するVTuberと企画内容が合っていないと判断されれば、受け手に違和感を与え、むしろ悪印象につながる可能性があることに注意しなければなりません。

 

②視聴者が発信したくなるよう工夫する

VTuber業界では、VTuber側の発信に加えて、切り抜き動画や文字起こしなど、視聴者によるSNS上での情報拡散も活発に行われています。そのため、VTuber施策は、設計次第で視聴者による二次的な拡散につながります。

例えば、新規イラストの制作はその一つです。新たなビジュアルを用意することで、視聴者にとって新しい話題や共有素材が生まれるため、SNSでの投稿・拡散のきっかけになります。また、企業側は発信したいイメージに合わせた表現を行いやすくなります。

 

追加費用は発生しますが、話題化や二次拡散を見据えた施策として、若年層を中心に有効な選択肢の一つです。

VTuber起用で広げる、企業と社会の新しい関係づくりの可能性

ここまで、VTuberの「企業と社会との関係性を育てていく存在」としての魅力をまとめてきました。 

デジタルネイティブ世代が中心となる今後の社会において、オンライン上での対話・共感を生み出す仕掛けが、ますます求められるようになります。その中で、「VTuber起用」という選択肢は、企業と社会をつなぐ新しいコミュニケーションの形として、大きな可能性を有しています。

 

VTuber起用は、PRの本質である信頼や共感の形成と、行動変容に深く関わる手法のひとつだと言えます。企業が自らの価値観や想いを、親しみやすい形で伝えていくための手段として、VTuberは今後さらに重要な役割を担っていくのではないでしょうか。

 

プラップジャパンではVTuber活用についてのセミナーの実施や、企業オリジナルVTuberのプロデュース・運用代行と、有力VTuberとのタイアップ企画立案・ディレクションといった、絶えず変化する生活者やコミュニケーション環境に合わせたサービスを提供しています。
また、若手社員を中心に、デジタル社会を生きる若者の「今」を捉えるヒントを発信しています。今後の発信にもご期待ください。

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