プラップPRジャーナル
PRAP PR JOURNAL
毎年6月は、LGBTQ+コミュニティを祝福し、多様な性の在り方への理解と、権利の尊重を促進する「プライド月間」です。
近年、日本でもプライド月間に合わせて企業がメッセージを発信したり、社内外に向けた取り組みを行う動きが増えています。一方、世界では、米国を中心にDEI(Diversity, Equity & Inclusion)施策を見直す動きも広がるなど、多様性をめぐる議論が複雑化しています。
DEIをめぐる姿勢や発信のスタンスが問われる中、企業はプライド月間とどのように向き合い、コミュニケーションを行うべきでしょうか。
企業価値の向上や人的資本経営、ステークホルダーとの関係構築を考える上で、DEIの重要性がますます高まる今だからこそ、プライド月間における企業のコミュニケーションのあり方を、PR視点で紐解いていきましょう。

プラップジャパンの「DEeyeコミュニケーションラボ」では、WEB・TV・X(旧Twitter)を横断した報道・投稿調査をもとに、広報PR担当者が意識すべきポイントを整理しました。(調査期間:2024年4月~7月、2025年の同期間で比較)
2025年のプライド月間に関する記事数は、前年の2024年より増加傾向にあり、特に企業のDEI方針や経営姿勢に関する報道が顕著でした。
以前は、
・当事者の声をふまえたLGBTQ+への理解促進
・社内制度の整備や働きやすい職場づくり
などのテーマが中心だった一方、
・人的資本経営
・企業価値の向上
・経営方針としてのDEI
といった文脈で語られるケースも増えていることが分かります。
つまり、「多様性を尊重している」というメッセージのみならず、
「なぜ企業としてDEIに取り組むのか」
まで踏み込んで、自社の事業や経営と結びつけて説明することが、より重要になってきていると言えます。
報道で特に特徴的だったのは、だれもが働きやすい環境づくりや、DEI前進に向けた企業のステートメントに加えて、
・製品/サービス
・LGBTQ+コミュニティの支援
といった、生活者にとって身近な取り組みが多く取り上げられたことです。
企業の取り組みや発信が評価されるためには、
「制度や環境が整っている」
というハード面のみならず
「その取り組みによって、どのような課題解決につながるのか」
という意義や提供価値まで、生活者に意味が伝わるストーリー設計が求められています。
昨年のプライド月間のLGBTQ+に関する取り組みにおいて、SNSやメディアで特に反応を集めたのは、当事者やアライ(支援者)のストーリーでした。
企業のメッセージや各施策の内容に加えて、LGBTQ+を取り巻く
・職場や生活でのエピソード/課題
・家族やパートナーとの関係
といった、当事者の目線も併せて語られることで、生活者が自分事として受け止めやすくなる傾向にあります。
プライド月間を象徴するイベントの一つである「Tokyo Pride」でも、フェーズの変化が見られています。
昨年のテーマは
「Same Life, Same Rights」
でしたが、2026年は
「多様性と平等がひらく未来」
がテーマに。
・婚姻の平等(同性婚の法制化)
・LGBTQ+への差別禁止
など、「多様性を尊重する」段階から、「法の下の平等をいかに実現するか」というフェーズへの広がりが見て取れます。
企業にとっても、啓発活動にとどまらず、社会潮流への向き合い方やスタンスが、より一層問われています。
① DEIを「経営」と切り離して考えない
プライド月間の発信は、単なる慈善活動や社会貢献活動ではありません。
企業として取り組む意義を、自社の経営方針や提供価値と結びつけて伝えることが、発信の説得力を高める上でも重要です。
② 制度や取り組みの紹介は、「生活者起点」で
製品/サービス/体験などの生活者との接点とLGBTQ+施策を結びつけることで、「誰にどのような価値を届けているのか」が明確になり、取り組みへの理解や共感につながりやすくなります。
③ 「自分事化」を促す共感ストーリーを届ける
当事者やアライの声を取り入れることで、取り組みの背景や、当事者が抱える課題への理解が深まり、生活者の共感や行動につながりやすくなります。
プライド月間を象徴するイベントの一つである「Tokyo Pride」でも、フェーズの変化が見られています。
プライド月間は、企業がDEIへの姿勢を示すだけでなく、その取り組みが社会や生活者、当事者にとってどのような意味や価値を持つのかを伝える、重要な機会でもあります。
広報・PR担当者には、発信を通じて、企業としての姿勢/取り組みの意義/提供価値を丁寧に示していく視点が求められています。
「DEeyeコミュニケーションラボ」とは
“DEI”に根ざしたインクルーシブな視点=”eye”をもとに、企業や団体の”コミュニケーション”の在り方をデザインする専門チームです。ジェンダー・LGBTQ+、障がい、多文化共生、育児・介護などの領域を横断し、企業価値の整理、メッセージ設計や発信内容の策定、ステークホルダーとの関係構築などを段階的に実施してまいります。
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