プラップPRジャーナル
PRAP PR JOURNAL
ワカモノラボの冨澤です。
TikTokは2017年に日本でのサービスを開始して以来、若年層を中心に急速に普及してきました。
いまだに 「TikTokって若い子が踊っているSNSでしょ?」と思われがちですが、実はその使われ方はここ数年で大きく変化しています。
娯楽として楽しむだけでなく、
・情報を探す
・気になるものを保存する
・日常の意思決定の参考にする
など、生活に密着したツールとして使われる場面が増えているようです。
そこで今回は、ワカモノラボのメンバーに普段どのようにTikTokを使っているのか座談会を実施。
対話を通して見えてきた、若者たちのリアルなTikTok活用法をまとめました。

座談会の中で印象的だったのは、TikTokが単なる暇つぶしのためのアプリではなく、生活の中で自然に使われる検索ツールや情報のストック先のような存在になっているということです。
たとえば、行きたいお店の雰囲気を知りたいとき、化粧品の色味や使い心地を見たいとき、
レシピやネイル、コーディネートの参考を探したいとき……
そんな、テキストや静止画だけではわかりにくい情報を、動画を通して把握するという声が多く挙がりました。
また、TikTokは保存機能が使いやすく、コレクションで整理することも可能です。
見て終わりではなく、あとで見返す前提でためておく情報ストック機能としての使い方がされている点も特徴的でした。
ちょっとした疑問や気になったことを、気軽に動画で検索することも多いようです。
ー4年目女性・Aさん(以下Aさん):Instagramでも検索はするのですが、ハッシュタグ検索だと柔軟に探しにくいなと思う時があります。ぴったり合わないと検索が引っかからないから、どうしても「渋谷 カフェ」のようなざっくりした調べ方になりがちで。
ー6年目女性・Bさん(以下Bさん):わかります。TikTokだと曖昧な言葉で検索しても、それっぽい動画が結構でてきますよね。
ーAさん:しかも動画だから雰囲気がすぐわかるんですよね。写真だと切り取られた一瞬しか見られないけど、動画だとお店の空気感とか実際の様子がわかりやすい。
ー1年目女性・Cさん(以下Cさん):コスメとかも動画の方がわかりやすいですよね?リップとか、写真だと色味がよくわからないこともありますし。あとは、服の着こなしの参考もTikTokはわかりやすと思います。古着が好きなので、どうやって合わせようかな?のイメージの参考にもします。
ーBさん:わかります!ECサイトの写真だと、外国人のモデルさんが着ている写真のこともあって、わかりにくいなと思う時がありますよね。
ーCさん:そうなんですよね。そういった参考になりそうな動画は保存しておいて、あとで見返したりします。レシピや行きたいお店なんかも、保存することが多いですね。
ーBさん:TikTokって保存した動画がサムネイルで並ぶから、後から探しやすいんですよね。コレクションで保存先を分けることもできるし。
ーAさん:ちなみに皆さん、直近だと何を検索しました?私は「パイナップル 切り方」で検索しました。こういう、しょうもないこともすぐTikTokで調べてしまいます(笑)
ーBさん:私は最近流行っている「ドバイチョコ餅」を調べました。あとは、「スノボ 犬」とか (笑)
ーCさん:犬がスノボしている動画ですよね!私は最近「スノボ女子コーデ」で検索しました。予定があるときのイメージ探しにもすごく便利だなと思います。
今回の対話から見えてきたのは、検索行動そのものが多様化していることでした。
以前は、何かを調べるといえばGoogleやYahoo!などの検索エンジンが中心でした。
その後、InstagramやXでハッシュタグ検索をする流れが広がり、さらに、”TikTok検索”でまず雰囲気やリアルな体験を把握するという行動が加わっています。
まずは動画でざっくり理解し、その後に必要に応じて別の媒体で確認する。
そんな検索の役割分担が、若者の中で自然に行われているのかもしれません。
ーBさん:私は、旅行やお出かけの予定を立てるときによくTikTokで調べます。
ーAさん:Vlogみたいな動画、よく出てきますよね。
ーBさん:そうなんです。最近だと、韓国旅行に向けて調べていて。韓国でどうやって過ごしたらいいか参考になる動画が結構でてきました。「このスポットとこのスポットはどれくらい離れているんだろう?」 「どんな順番で回るとよさそう?」などの調べにくい情報も、Vlog風動画だとわかりやすいんですよね。朝から夜までどう過ごしたか?のリアルが見えてきやすいので、全体感をつかみたいときにTikTok検索はよく使っているかも。
ーAさん:確かに、全体感つかみやすいですよね。私はフェスの過ごし方をTikTokで調べたことがあります。リアルな情報なので全体の解像度があがりやすい。例えば、「雨が降ると地面がぐちゃぐちゃになるから長靴があるといいよ、この商品が便利だよ」とか「道路は混むから公共交通手段がいいよ、バスは頻繁にくるから大丈夫!」とか。リアルな情報があって参考にしやすい。
ーCさん:全体感はTikTokがわかりやすいですよね。TikTokで全体感をつかんだあとで、Googleで行きたい場所の公式サイトを見たり、正確な情報を確かめることが多いかもしれないです。
広告というと、一般的には「うざい」「邪魔」というネガティブなイメージも持たれがちです。ただ、今回の会話から、TikTok上では広告やPR投稿が、思った以上にフラットに受け止められているということがうかがえました。
その背景には、スキップのしやすさがあるのかもしれません。
特別な操作も待ち時間もなく、興味がなければすぐに次へ進める。“見せられている感”が強くないからこそ、従来の広告にあったストレスを感じにくいのではないか、という声もありました。
一方で、これは「広告・PR投稿が好かれている」こととイコールではありません。
オーガニック投稿と同じように、興味がなければそのままスルーされる。嫌われにくい代わりに、立ち止まってもらうハードルはきちんと存在する。そんな媒体だといえそうです。
今回の座談会を踏まえると、TikTok上のコミュニケーションで重要なのは、洗練された広告らしい見せ方をすることではなく、生活者が文脈の中でいかに自然に受け取ってくれるかだと感じます。
TikTokでは、広告であってもそうでなくても容易にスワイプできてしまうからこそ、最初の一瞬で「自分に関係ありそう」「ちょっと見てみたい」と思ってもらえるかが勝負です。TikTok Adsのクリエイティブベストプラクティスでも、「つかみは最初の6秒間で優先的に示すと、エンゲージメントが増え視聴時間が長くなる」とされており、「緊張や驚きなどの感情を引き起こすと効果的」と示されています。
また、商品の特徴を一方的に並べるよりも、「実際に使ってみたらこうだった」「こんな場面で便利だった」といった、体験ベースの語り口のほうが共感されやすくなります。
TikTokでは特に、説明よりも体験・体感のほうが、情報として受け取られやすいといえるでしょう。
対話の中では、好きなインフルエンサーのPR案件だと見るという声も。
ここで重要なのは、単純なフォロワー数の多さというより、その人が普段どんな投稿をしているか、視聴者がその人に何を期待しているか、これまでの発信に信頼感があるかという点です。
たとえば、美容系の発信をしている人が紹介するコスメは自然に受け取れても、普段の発信内容と関係の薄い商品が突然出てくると、違和感につながりやすい。
こうした点はTikTokに限った話ではありませんが、“誰に頼むか”だけでなく、“その人の文脈の中で語れるか”まで含めて考えることが大切だと言えそうです。
今回座談会を実施してあらためて感じたのは、TikTokは”若者がダンスを踊るSNS”という存在では捉えきれなくなってきているということです。
そこでは、娯楽として動画を楽しむだけでなく、行きたい場所を探し、気になるものを比較し、あとで見返したい情報を保存する。TikTokは、日常の中の小さな意思決定を支えるツールとして使われていました。
企業やブランドがTikTokを活用するときも、単に「若者向けだから出す」のではなく、若者がこのプラットフォームを何の目的で、どのような気持ちで使っているのかを理解することが重要です。
“見てもらう”だけでなく、“検索される”、“保存される”、“あとで思い出される”。
そんな接点をどうつくるのか。
TikTokは、コミュニケーションの設計を考える上で、ますます無視できない存在になっていきそうです。
ワカモノラボでは、若年層の消費トレンドやメディア事情など、若者の今を捉えるヒント
を今後も発信してまいります。次回のブログも、ぜひご期待ください。
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