PRAP COLUMN
海外事業
- 2026年8月18日
東南アジアで拡大する、OOH広告活用
プラップジャパンで海外事業を担当している舟橋です。
近年、当社では海外におけるOOH(Out of Home:屋外広告)のご相談が増加しており、対応を強化しております。特に引き合いが多いのが、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシアなどの東南アジア市場です。
OOHというと、道路沿いの大型看板を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には空港、駅、地下鉄、バス、商業施設、オフィスビル、エレベーターなど、生活者が自宅の外で接触する幅広い広告媒体を含みます。近年はデジタルサイネージを活用したDOOH(Digital Out of Home)も急速に普及し、映像による表現や時間帯に応じた広告配信が可能になっています。
デジタル広告が中心となる中でも、東南アジアではなぜOOHが重視されているのでしょうか。その背景と、海外でOOHを活用する際のポイントについて考えたいと思います。

アジアが世界のOOH市場を牽引
世界のOOH業界団体であるWorld Out of Home Organizationによると、2024年の世界のOOH広告費は462億米ドルに達し、過去最高を記録しました。このうちアジア太平洋地域は228億米ドルと、世界全体の49%を占めています。
OOH市場の成長を支えているのが、広告面のデジタル化です。2024年の世界のDOOH広告費は179億米ドルとなり、OOH広告費全体の約39%を占めました。アジア太平洋地域ではその割合が41.6%と世界平均を上回っています。
東南アジアの主要都市を訪れると、この変化を実感します。バンコクではBTSやMRTの駅構内、商業施設、主要交差点に大型ビジョンが設置され、ホーチミンやハノイでは道路沿いの大型看板に加えてデジタル広告面が増えています。シンガポールでは空港、地下鉄、オフィス、商業施設などの広告ネットワークが整備され、ジャカルタでも幹線道路やショッピングモールを中心にOOHのデジタル化が進んでいます。
海外OOH出稿には、現地を理解した媒体選定が重要
東南アジアのOOHは、国や都市によって媒体環境が大きく異なります。
例えば、自動車やバイクでの移動が多い都市では幹線道路沿いの大型看板が有効ですが、鉄道網が発達している都市では駅や車両内広告の接触頻度が高くなります。ショッピングモールが生活の中心となっている地域では、モール内のデジタルサイネージやイベントスペースも有力な選択肢です。
さらに、海外OOHの実施には、媒体社の選定、掲出場所の確認、行政規制、広告表現の審査、入稿仕様、制作・施工、掲出後の確認など、多くの実務が伴います。写真だけでは周囲の交通量や視認性、広告面の高さ、進行方向などを判断しにくく、現地での確認が必要になる場合もあります。
日本で制作したクリエイティブを翻訳するだけでは、十分な効果を得られないこともあります。現地の人々が短時間で理解できるメッセージ、言語、色彩、モデルの起用、文化や宗教への配慮など、生活者の感覚に合わせたローカライズが欠かせません。
海外PRにおける東南アジアOOH広告
東南アジアでOOHを多く活用しているのは、短期間で広い認知を獲得したい生活者向けの企業です。タイの屋外広告会社Plan B Mediaによると、2025年にOOH広告費が多かった上位5業種は、自動車、美容、飲料、エレクトロニクス、ウェブサイト・アプリでした。中でもウェブサイト・アプリは前年比84%増となり、YouTubeに加え、TaobaoやiQIYIなどの中国系サービスも出稿を伸ばしています。
スマートフォンについても、OPPO、vivo、Xiaomiなどの中国ブランドが東南アジアで大きな販売シェアを持ち、新機種の発売時に商業エリア、駅、空港、大型ビジョンなどを活用するケースが見られます。オンラインで販売するデジタル企業ほど、街中でブランドを可視化し、企業やサービスへの安心感をつくるためにOOHを活用する傾向があります。
ゲームや動画配信サービスでも同様です。若年層が集まる駅や商業施設で広告を展開し、SNS投稿、イベント、インフルエンサー施策へとつなげる手法が増えています。ゲームは単独の統計区分では上位業種として表れにくいものの、「ウェブサイト・アプリ」「エンターテインメント」の一部として、OOHとの親和性が高い分野です。
自動車では、日本企業が引き続き大きな存在感を持つ一方、中国のEVメーカーによる出稿が目立つようになっています。例えばBYDは、バンコクの大型看板、主要ランドマークのデジタルスクリーン、空港などを横断したOOHキャンペーンを展開しています。新規参入ブランドにとって、OOHは販売促進だけでなく、「この国で本格的に事業を展開している」という姿勢を示す役割も持っています。
プラップジャパンでは、中国、シンガポール、ベトナム、タイのグループ拠点や各国のパートナーと連携し、海外OOHの取り扱いを強化しています。
媒体の調査・選定・買い付けだけでなく、現地規制の確認、クリエイティブ制作、施工管理、掲出確認、PR、SNS、インフルエンサー施策まで包括的に支援することが可能です。是非お気軽に、こちらよりお問い合わせください。