PRAP COLUMN
海外事業
- 2026年9月28日
日本の食品・外食企業がベトナム市場に注目する理由
プラップポインツベトナムの西田です。ベトナムは東南アジアの中でも経済成長の勢いがある国の一つです。2026年上半期のGDP成長率は8%を超え、高い水準で経済成長を続けています。
若年層の占める割合が高く、都市部を中心に中間所得層が拡大する中、生活者の価値観やライフスタイルも変化しています。その一つが食に対する意識の変化です。外食を楽しむ人が増えているほか、健康志向や食の安全に対する関心も高まっています。
こうした変化を背景にビジネスチャンスが広がり、日本の食品メーカーや外食チェーンのベトナム市場への進出・投資拡大が相次いでいます。本記事では、なぜ今、日本企業がベトナム市場に注目しているのか、その背景を深掘りします。
健康志向が高まるベトナム 現地展開を強化する日本企業
ベトナムでは、健康意識の高まりを受けて品質や栄養価を重視した食品・飲料への関心が高まっています。こうした市場環境を背景に、日本企業もこれまでの輸出中心の展開からM&Aや現地生産を通じて、より現地に根差した事業展開へと動きを広げています。
例えば乳製品市場では、巨大な地場企業が大きなシェアを持つ一方、近年は日本の乳製品メーカーも現地での事業展開を強化しています。森永乳業は現地の乳製品メーカーを完全子会社化したほか、雪印メグミルクも現地に工場を設立し、2026年から生産を開始しています。
また、「ヤクルト」の販売も好調です。ヤクルト本社が2026年5月に公表した速報によると、ベトナムでは2026年1~3月の1日当たり平均販売本数が135.8万本に達し、前年同期比10.0%増と海外事業を展開する国と地域の中で最も高い伸び率を記録しました。その背景の一つには、日本でお馴染みのヤクルトレディによる宅配チャネルがあります。ベトナムではヤクルトレディを数百人規模で育成し、地域に根差した販売網を構築してきました。近所の人との立ち話など、対面でのコミュニケーションを好むベトナム人の生活文化に訪問販売という手法がフィットし、ブランドの認知や信頼の形成に寄与しています。日本で長年培われてきた販売の仕組みが、ベトナムの生活者にも受け入れられ、販売拡大を支えています。

日本の外食チェーンが続々進出 支えるのは「日本経験人材」
外食産業においても、日本の有名チェーン店の進出が相次いでいます。2026年4月にエターナルホスピタリティグループが「鳥貴族」のベトナム1号店をハノイにオープンしました。ホーチミンでも、7月にゼンショーホールディングスが「はま寿司」、9月にカッパ・クリエイトが「かっぱ寿司」のベトナム1号店をオープンしました。かつての日本食レストランは日本人駐在員が主なターゲットでしたが、現在はベトナム人を意識した価格設定やサービスを取り入れています。
ベトナムに進出する日系の外食チェーンの多くに共通するのが「日本経験人材」の活用です。鳥貴族やはま寿司では、日本の店舗でアルバイトや社員として勤務した経験を持つベトナム人材を積極的に採用しています。日本の接客スタイルや運営システムを熟知している彼らに現場を任せることで、ベトナムでも日本と同品質のサービスをスピーディーに展開しています。

ベトナムの生活者を理解したコミュニケーション設計が重要に
このように、日本の食品や飲食店のベトナム市場への進出が加速しています。ただ、現地の生活者から支持され、成果につなげていくためには、「日本品質をただ持ち込むだけ」では不十分です。ベトナムの生活者がどのようにメディアを利用し、情報を得ているのかを理解した上で、現地の生活習慣や文脈に沿ったコミュニケーションを設計することが重要です。
ベトナムはFacebookやTikTokの利用率が高く、インフルエンサーの影響力も大きいです。生活者はKOLの投稿をきっかけに商品やサービスを知り、より身近な存在であるKOCや一般ユーザーのレビューを見て、来店や購入を検討する傾向にあります。飲食店を探す際にはGoogleマップも広く利用されており、口コミや評価が来店先を選ぶ上で重要な判断材料となっています。
また、商品や店舗を継続的に利用してもらうためには「Zalo」の活用も重要です。Zaloは日本のLINEに近い日常的なチャットアプリで、ベトナムの人口の約8割が利用しています。Zaloの公式アカウントから新商品やキャンペーンなどの情報を発信することで、一度商品やサービスを利用した人とも継続的にコミュニケーションを取ることができます。

日本企業にとって、ベトナム市場でのビジネスチャンスは広がっている一方、参入する企業が増える中で、生活者に選ばれるためのコミュニケーションがこれまで以上に重要になっています。
弊社では、KOL/KOC施策やSNS運用、PRなど手法を問わず、ローカルインサイトに基づいた広報・マーケティングを支援しています。ベトナム市場での事業展開やコミュニケーション施策をご検討の企業様は、ぜひご相談いただけますと幸いです。是非お気軽に、こちらよりお問い合わせください。