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PRAP COLUMN

海外事業

多様化するインバウンド市場 成長する東アジア・東南アジアの存在感

プラップジャパンで海外事業を担当しております、舟橋です。
観光庁が2026年7月に公表した「インバウンド消費動向調査」によりますと、2026年4~6月期の訪日外国人旅行消費額は2兆5,096億円となり、前年同期比0.2%増でした。訪日客数が前年同期を下回る中でも、旅行消費額は前年並みを維持しています。
国・地域別の旅行消費額を見ると、米国が3,848億円で最も大きく、台湾が3,639億円、中国が2,592億円、韓国が2,589億円、香港が1,452億円と続きます。一時的な国際関係の緊張などを背景に中国からの訪日客が減少する一方、台湾、韓国、東南アジア、米国など、幅広い市場からの需要が訪日消費を支える構図が鮮明になっています。

台湾・韓国が訪日市場を牽引、依然として存在感を保つ中国

今回の調査で特に存在感を示しているのが、台湾と韓国です。

台湾からの旅行消費額は前年同期比27.9%増の3,639億円となり、米国に次ぐ2位となりました。一人当たり旅行支出も9.2%増の19万6,641円です。旅行者数と消費単価の双方が伸びており、訪日市場における台湾の存在感は一段と高まっています。

韓国は一人当たり旅行支出が9万9,542円と比較的低いものの、旅行者数が前年同期比14.7%増加したことで、旅行消費額は12.2%増の2,589億円となりました。日本との距離の近さや航空路線の多さを背景に、週末や短期休暇を利用した訪日旅行が定着していると考えられます。

台湾や韓国では訪日経験を持つリピーターも多く、東京、大阪、京都といった主要都市だけでなく、地方の食、自然、温泉、スポーツ、季節限定の体験などに旅行需要が広がっています。地方自治体や観光事業者にとっても、直行便や地域固有の体験を生かした情報発信の重要性が増しています。

また、一時的な訪日客の減少下でも高い消費力を持つ中国が、依然として重要な市場であることも変わりません。実際、中国人旅行者一人当たりの旅行支出は26万6,753円で、前年同期比9.4%増加しています。これは韓国、台湾、香港など東アジアの主要市場を上回る水準です。平均泊数も前年同期から3.3泊増えて11.2泊となり、買物代は一人当たり10万5,914円に達しています。 短期的な増減だけで判断せず、市場ごとの可能性を見極めながら、複数市場との接点を継続的に育てていくことが重要です。

消費額が大きく伸びる東南アジア市場

さらに、東南アジア市場の成長も見逃せません。インドネシアの旅行消費額は前年同期比40.3%増の422億円、マレーシアは39.8%増の394億円、シンガポールは20.1%増の600億円となりました。

特にインドネシアは、一人当たり旅行支出が前年同期比34.4%増の24万6,298円となっています。旅行者数の増加に加え、平均泊数が15.8泊へ伸びたことが、消費額の拡大につながっています。

マレーシアも一人当たり旅行支出が12.2%増の24万3,220円、シンガポールは10.5%増の28万9,923円となりました。シンガポールは東アジア・東南アジアの主要市場の中でも消費単価が高く、高付加価値な宿泊施設、食、自然体験、文化体験などとの親和性が高い市場です。

一方、ベトナムでは旅行者数が増加したものの、一人当たり旅行支出が前年同期比28.0%減少し、旅行消費額も22.1%減となりました。同じ東南アジアでも、国ごとに所得水準や旅行期間、関心のある体験、買物行動は異なります。「東南アジア」という一括りで捉えず、市場ごとの特徴を踏まえた戦略が必要です。

多様化する市場に合わせたインバウンドPRが必要に

今回のデータからは、日本のインバウンド市場が特定の国・地域に集中する構造から、複数の市場によって支えられる構造へと変化していることが分かります。今後のインバウンドPRでは、単に情報を英語、中国語、韓国語などへ翻訳するだけでなく、それぞれの市場の旅行動機や情報収集行動に合わせた発信が求められます。

例えば、訪日経験が豊富な台湾では、まだ知られていない地方の食や自然、季節限定の体験を紹介することが有効です。短期旅行の多い韓国では、直行便を利用できる地方都市や週末旅行を具体的に提案することが考えられます。

シンガポールでは、高品質な宿泊や食、ウェルネス、自然体験などを組み合わせた高付加価値の旅行提案が期待できます。インドネシアやマレーシアでは、家族旅行のニーズに加え、食事や礼拝環境などムスリム旅行者が安心して滞在できる情報を分かりやすく発信することも重要です。

利用されるSNSやメディア、影響力を持つインフルエンサーも国・地域によって異なります。現地のメディア環境や生活者の感覚を理解し、旅行者の関心に沿ったストーリーへと情報を組み替えることが、訪日意向の形成につながります。

プラップジャパンでは、中国、台湾、韓国などの東アジア、さらにタイ、ベトナム、シンガポール、インドネシアなどの東南アジアに加え、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアを重点市場として、現地拠点やパートナーと連携したPR・マーケティング支援を行っています。是非お気軽に、こちらよりお問い合わせください。