PRAP COLUMN
海外事業
- 2026年3月18日
中国広報担当者必見:2026年「CCTV315晩会」を読み解く
― 中国市場で求められる広報・PRのリスクマネジメントとは ―
プラップチャイナの大槻です。つい先日、毎年3月15日に放送される「CCTV315晩会」が放映されました。同番組の放映は、中国で広報・マーケティングに携わる企業にとって、特別な意味を持つイベントです。
CCTV315晩会は、中国中央電視台(CCTV)が制作する消費者問題告発番組であり、食品安全、広告、金融、デジタルサービスなど、幅広い分野における不正行為や消費者被害が取り上げられます。番組で問題が指摘された企業は、短期間で世論の批判にさらされ、ブランド価値や企業イメージに大きな影響を受けるケースも少なくありません。
そのため、中国市場における広報・PRにおいては、315晩会は単なるテレビ番組ではなく、リスク環境を把握する重要な情報源といえます。

中国PR・広報担当者が押さえるべき「315晩会」とは
2026年の315晩会は 「放心消費 品質生活(安心して消費できる、質の高い生活)」をテーマに放送されました。食品の安全、公共の安全、金融の安全、広告市場など、消費者権益に関わる問題が幅広く取り上げられ、放送当日だけで約85,915件の関連報道がなされ、SNSや動画プラットフォームを含め、中国全土で大きな反響を呼びました。
広報・PR視点で見ると、この現象はメディア露出の爆発的拡散や、SNS上での議論の加速、企業対応の即時性が問われる環境など、注目すべきポイントが多数あります。
今回の放映で取り上げられたテーマは、①漂白した鶏足、②「万能薬」を謳う詐欺事件、③身長伸長ビジネスの巧妙な手口、④「プライベートドメインマーケティング」で高齢者を狙う暴利商法、⑤野放し状態の電動自転車レンタル業界、⑥GEOマーケティングの弊害、⑦投資詐欺への警戒、でした。足を運び、「台湾のSNSでまだ語られていない日本」を探し求める動きが顕著になっています。
食品の安全とSNSでの急速な拡散
特に今回、ひときわ大きな注目を集めたのが、食品業界の「漂白鶏足」問題です。一部メーカーが品質劣化を隠すために工業用過酸化水素を使用していた実態が明らかになり、衛生管理の不備や無資格従業員の作業、原料管理の問題など、複数のリスクが指摘されました。
この事例は、広報・PRにおいて重要な示唆を持ちます。製品品質の問題は、瞬時にブランドリスクへ転化するという点です。特に中国では、EC流通の拡大とSNSでの情報拡散、消費者のからの積極的な告発が重なり、問題の可視化スピードが非常に速い市場です。
誇大広告と広報表現の規制強化
医療・美容分野では、「エクソソーム」を巡る誇大広告が問題視されました。研究段階の技術であるにもかかわらず、万能薬としての表現や効果を保証するような広告、非認可施術の訴求などが行われていたことが報じられています。特に中国ではこのところ、広告法の厳格化、医療・美容分野の規制強化、KOL・インフルエンサーによる発信の規制が進んでおり、注意が求められます。
AI時代の新たなPRリスク
2026年の315晩会で新たに注目されたのが、AIに関する「データ汚染」の問題です。「GEO(生成エンジン最適化)」を目的として、ステルスマーケティング記事の大量投稿、虚偽情報の拡散、AI検索結果の操作が大きな問題となっています。これは従来のSEOやSNSマーケティングとは異なり、AIの学習データそのものを操作する新しいPRリスクであり、AI時代の情報信頼性、企業・ブランド側の情報露出管理、誤情報への対応といった、新しい課題への対応が求められます。
315晩会で取り上げられる問題は、中国社会における消費者意識や規制強化の方向性を象徴しています。中国で事業を展開する企業にとっては、この番組を単なるニュースとして捉えるのではなく、広報・PR戦略を見直す機会として活用することが重要です。
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プラップジャパンでは、海外PR・危機管理・デジタルコミュニケーションの知見をもとに、中国市場における広報・マーケティング戦略の設計を支援しています。今後も、広報・PR担当者の皆さまに向けて、実務に活かせる情報を発信してまいります。